食糧自給・ミニマムライフ
手作業のお米づくりのコツをまとめてみました(2021年版)
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我が家でのお米づくりは、毎年ほとんどの工程を手作業で行っています。

春の田起こしは中古のトラクターで軽めに(半不耕起)起こし、代掻きは丸太をひいたり、トンボで軽くならす程度です。

草取りはタニシさんにお任せですが、タニシさんが処理しきれない分は手作業で処理していきます。

今回はお米づくりの一年の流れと、各作業工程について簡単にまとめてみました。

Contents

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一年の流れ

田植えの風景

3月〜4月

いよいよお米づくりシーズンのはじまりです。

これから秋の収穫までの半年以上はお米と向き合いながらの生活です。

種まきの準備

気温が上がり霜の心配が無くなった頃に

玄米保管庫に眠らせておいた種籾を目覚めさせ、種まきの準備をします。

種まき

田んぼの一角に畝を立て、雑草を鎌で刈り取り、種を撒いて草と竹をかぶせます。

お米の粒同士が近くなりすぎないことと、鳥よけなどがポイントです。

田起こし

スムーズな田植えが開始できるよう準備します。

まずは伸び放題になっている田んぼの中の草を全面草刈りします。

その後トラクターを田んぼに入れ、草の根を取り除くために浅めに耕起します(半不耕起)。

ちなみに完全に不耕起でやりたい場合は、『冬季湛水』という方法で可能になります。

代掻き・畦塗り

一般的にはここで代掻きを行います。

トラクターを使ってしっかりと代掻きを行うことによって、田起こし時に発生した地面の凹凸をフラットにし、田んぼの中に入る水量の均一化などを図ります。

私たちの自然農での米つくりの場合は、トラクターの進入回数を必要最低限にするためこの工程を省略または手作業で行っております。これは畑の中の微生物の循環を可能な限り壊したくないからです。

また、畦塗りについては、手作業で田んぼ全面を実施すると田植えまで体力・氣力が持たないため、水漏れしているなどの必須な箇所を除き省略しています。出来る限りミニマムに。

以上が春にやっておく作業になります。

ここまでやって、ようやく田植えの準備が整いました。

5月〜6月

種を蒔いてから約45日後、苗が充分な大きさに育ってきたのを確認できたら、いよいよ田植えのスタートです。

苗の成長目安は葉っぱが4〜5.5枚まで出てきたら田植えOKのサインとしています。

田植え

苗がこれぐらいのサイズになると田植えをスタートしています。

私たちの田植えはかなり独特かもしれません。

まず機械での代掻きを行わない代償として、田んぼ全体に凹凸があります。

フラットではない地面に対して、自らの手で育てた苗を一本一本丁寧に取り分け、”一本ずつ”手作業で植えていきます。

これは【一本植え農法】と呼ばれるやり方で、玉名市の本田さんが江戸時代の『農業全書』を基に菊池のジャー村さんへ伝授され、私は両名の主宰するお米づくりWSにて教わりました。

この農法の優れているところは、たった一本の苗からたくさんのお米が収穫できること。

通常の約1.5倍以上の収穫量が期待できるので、ミニマムな田んぼでも多くのお米を育てることができる革命的なアプローチです。

たった一本の苗から多い時は70~80本までに分蘖することもあります。

凹の部分に植えた苗はタニシさんのエサになったり、水没のリスクが高いです。凸の部分には雑草が生えやすいです。

株間は今年は45cm。凹は手でならし、凸の雑草を手で抜きながら少しずつ植えていきます。

このやり方で50aの田んぼを夫婦2人で仮にこなした場合、約2週間の間は田んぼにかかりっきりです。

この田んぼでのお米づくりの結果、一家庭が自給用にお米を育てる場合、田んぼは0.5aもあれば充分すぎることが分かりました。広すぎる田んぼは作業がものすごく大変です。

7月〜9月

手作業での田植えが完了したら、残る工程はようやく折り返しといったところ。

この期間はひたすらに水の管理・草抜き等をしながら稲の成長を見守ります。

水管理・草抜き

田植え直後の水管理には少しコツがあります。

朝、水を入れたら夕方、水を止める。

稲が大きく育つまではこの水管理を続けることでタニシさんによる食害を防ぐことができます。

草抜きは2週間に1度程度が目安。

上記の水管理がうまくいけば、タニシさんが稲ではなく雑草を食べ始めてくれるので大幅に小労力化が図れます。

タニシさんを味方につけるには水管理が重要ということですね。

10月〜11月

ようやく待ちに待った稲刈りの季節の到来です。

秋の涼しげな風になびきながら、踊る黄金色の輝きに目が奪われ、これまでの苦労が報われる瞬間です。

ここまで来ればお米つくりも終盤戦。もうひとふんばりです。

でも、安心するのはまだ少し早いのです。とにかくこれからが大変。

この時期にはみかんの収穫・出荷も始まりますが、心だけは急がず慌てず冷静に。

一本の苗から40にも50にも分蘖した立派な稲たちを、まずは丁寧に鎌で刈り取っていきます。

稲刈り・天日干し・脱穀・籾摺り

いよいよお米づくりもラストスパート。

これから籾摺りまでは一気に終わらせないと、みかんの作業も追いつかない。とにかく大忙しです。

早朝の時間を活用したり、日暮れギリギリまでなんとか時間をうまく使って全ての作業をこなしていきます。

刈り取った稲は麻紐でくくりつけて束にしていき、天日干しのために用意していた竹竿にどんどん干していきます。

これから1週間ほど、雨をよけながらお日様に当てて乾かしていきます。

この天日干しの作業によってものすごくエネルギー純度の高いお米に仕上がってくれます。

・・・1週間後、足踏み脱穀機により脱穀を行うのですが、昨年から田んぼの面積が増えたことで作業が追いつかないため、

脱穀および籾摺りは近所の業者様に委託させていただいております。

完成!!

台風を乗り越え、虫や病気にも負けずに逞しく育ってくれたエネルギー満点のお米。無肥料・無農薬の自然栽培。

出来立ての新米をお椀によそえば、おかずなんて要りません。もう最高に贅沢な食卓となります。

この瞬間のためにお米を育てていると言っても良いでしょう。
皆様も是非、お米を育ててみませんか。

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