食糧自給・ミニマムライフ
自然栽培みかんのお世話の方法
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月日の経つのは早いものですね。
28歳の頃、福岡から熊本へ移住し、自然栽培で温州みかんのお世話を始めてから今年で8年目となりました。

試行錯誤ある中で良き縁・良き師に恵まれ、これまで生きてこれたのも皆様のおかげさまでございます。
いつもご支援いただきまして心より有り難うございます。

さて、本日は日頃の感謝を込めて、私たちが普段どのようにみかんのお世話をしているのかを文章に残そうと思います。
この記事を最後までお読みいただくことで、『自然栽培のみかんの育て方』その一例がご理解いただけるかと存じます。

植物の育て方には、コレが絶対!というものはありませんが、環境への負荷を可能な限り抑えつつ健康的な食文化を創造していく『農的くらし』への一助となれますと幸いです。

それでは始めさせていただきます。
長文ですので3ページに分けて記事にしております。

Contents

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1月〜3月:剪定

新しい年の始まりです。
この時期は寒さが厳しく、農園のある地域では-5℃を下回るような日が続くことがあります。
温州みかんという植物は、あまり寒さに強くありませんので、寒さに負けないように樹勢(健康で勢いのある樹のこと)を保つ必要があります。そのためには、一年を通して緻密な作業計画に基づき樹のお世話と観察をしていくことが大切です。

この時期に進めていく作業としては、◆剪定 になります。

◆剪定はあまり気温が低すぎるときに行うと、かえって樹勢を弱めてしまうことになります。
そのため、気温が0℃以上で安定してくる2月頃より始めています。

手順を簡単にお伝えすると、まずは園内をぐるりと一周しながら観察していき、異常が無いかを見廻ります。

その後、チェンソーを片手に、ベルトにノコギリと剪定バサミとハリガネをセット。
園内全体の太めの枯れ枝など中心にチェンソーで大きく剪定していきます。
この作業を◆荒剪定と呼んでいます。

◆荒剪定で園内全体を廻り切ったら、今度は剪定バサミとノコギリの出番です。
チェンソーでは捌き切れなかった中〜小型の枝を剪定していきます。
この作業を◆中剪定と呼んでいます。

最後に、もう一度全園を廻り、細かな枯れ枝・地すべり枝・下向き枝などを剪定していきます。
以上が私たちの剪定になります。

これらの作業を3月いっぱいまでに完了させることが理想ですが、4月までかかることもあります。
冬に寒波が到来し、霜枯れのひどい場合には夏にさしかかることもあります。

4月〜5月:草倒し・みかんのお花(ネロリ)の開花時期

気温の上昇と共に、空では鳥が心地よいメロディを歌い、大地には新たな生命たちが見渡す限りに芽吹いていきます。
少し目を離すと、わずか数日でみかんの木が草に覆われ始めることも。
私たちは、この新たな生命たちを積極的に刈り取ることはしません。

『草刈り』をする代わりに、◆草倒しという作業を行います。

◆草倒しでは鉄パイプを使って、木々の根元を覆ってしまっている草を倒し、寝かせていきます。
そのようにして春草・夏草の根は土中に残り、様々な微生物たちの相互作用によって、循環が生まれます。

この方法は池田農園の池田道明さんに教わりました。
寝かせた草は数日で起き上がっていき、何度も園内を廻っては倒し続けていく必要があります。
しかしその分、より細かな観察が出来るため、小さな変化や異常も見逃しづらいです。

◆草倒しを続け5月に差し掛かると、園内には爽やかな甘い香りが漂い始めます。
真っ白で可憐な姿の、『みかんのお花(ネロリ)』の開花です。
春に目覚めたミツバチさんたちの営みによる生命の循環です。
今年は数名の方にご参加いただき◆みかんのお花摘み体験会を開催させていただきました。

そのご縁から◆お花摘み体験会で摘んだお花を、山鹿市の『ラララカフェ』さんが素敵なデザートに変身させてくれました。
【みかんのお花のジェラート】です。
溶けるようなジェラートの口触りに、みかんのお花の香りがとびきり上品さを演出します。
珈琲にもお紅茶にも相性が良さそうです。
みかんのお花で蒸留水を作られている清水由美先生のご縁により、素晴らしいランチタイムを楽しませていただきました。清水先生・ラララカフェ様、改めて有り難うございました。

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