食糧自給・ミニマムライフ
【自然栽培】最高糖度16.8%!?美味しいみかんの栽培スケジュール
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農業は毎年一年生」という有名な言葉がありますが、昨年までのみかん畑で過ごした時間の中

ある程度の確信が持てた答えが自分の中に芽生えました。

新規就農をしてから今年(2017年)でまだ3年目の若輩者ですが、経験豊かな諸先輩方とのご縁に恵まれたおかげさまです。

これから新規就農を目指す方や、自然栽培果樹(みかん以外でも)を栽培される方へ少しでも役に立てれば幸いです。

Contents

※おことわり※

2017年現在、慣行栽培農家である諸先輩方のおかげさまで私や家族をはじめ大勢の人々の食が豊かなものになり、

偉大な技術である「農業」を支えてくださっておりますこと、本当に感謝しております。

私が一百姓であり、実践しております栽培方法が「自然栽培」のため実体験として文字を起こした次第です。

慣行栽培がダメで自然栽培が良い、というような事を伝えたいワケではありませんのでお気を悪くされませんようお願いいたします。

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農薬を使わないと虫が来る理由

諸説あるかと存じますが、あくまで自分の実体験として書きます。

「金の蜜柑」のみかん畑(2012年から無農薬・無肥料)をはじめ、宗自然農園の圃場(ほじょう)ではこれまでに農薬・肥料(有機肥料含む)を施したことが一度もありません。しかしながら、カイガラムシやスス病、テッポウムシによる被害はごくわずかです。むしろ、年々被害が減ってきている傾向にあります。

慣行栽培(農薬および化学肥料等を用いた、一般的な栽培方法)の農家さんに言わせると、「(虫や病気がたまたまつかなくて)運がよかったね」程度の話で済まされがちですが、そうではないのです。

なぜなら、自然栽培を実践されている他の方々の圃場でも同じ結果になったからです。

つまり、自然栽培を長く続ければ続けるほど、虫や病気のリスクは右肩下がりに減少傾向になっていくのではないか

不思議ですよね。通常であれば、虫・病気を予防するために農薬が必要だとされているのですから。

一体、この現象はどういうことなんだろうか?何故、農薬もまかずに虫がこない状態にできるんだろうか?その答えは、肥料にありました。

虫がやってくる原因は過剰な肥料分?

切り上げ剪定の記事↓にも書きましたが、

農作物の栽培には植物の三大栄養素である窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が必要不可欠であり、

通常であれば三大栄養素の補給のため肥料を施肥する必要があります。

しかし、このうち特に窒素には注意が必要です。

窒素を大量に投与すれば収量も大きく上がるため、施肥といえば窒素とも言えるほど重要視されている栄養素ですが、過剰に施肥をしすぎると 窒素過多(ちっそかた) になり、虫や病原菌が寄ってくる原因になるのです。虫や病原菌はこの窒素が大好物なようなのです。

窒素過多による弊害

さらに、窒素過多の作物には多くの場合エグみがあり、このエグみは人体にとって発がん性が認められております自然栽培ではこの窒素をはじめ、多くの栄養素を肥料で補うといった従来の方法とは全く異なります

改めて、自然栽培とはなんぞや

宗自然農園としての自然栽培ですが、大きく条件は2つあります。

  1. 農薬・科学肥料を使用しない
  2. 動物性有機肥料・堆肥を一切使用しない

条件を言葉にするのは簡単ですが、実際にやってみると経験と自然界とのコミュケーション能力のようなものが必要不可欠だと感じました。

3年足らず、私のわずかな経験値から感じた重要な点は「自然が先生」だということ。

自然界に優る芸術もなく、自然の摂理を学び、それを田畑に応用し結果を出していく技術を自然栽培と呼びます。

ちなみに有機栽培(オーガニック)の場合、条件は上記のうち

  1. 農薬・科学肥料を使用しない

のみとなります。有機肥料の使用およびマシン油などの使用はokです。

放任栽培(ほったらかし栽培)との違い

よく混同されがちですが、これはもう全然ちがいます。
自然農法のバイブル「わら一本の革命」(福岡正信・著)にも記述されておりますが、

幼苗の頃から一切を放任してきた樹ならまだしも、一度でも人が手を入れた樹は、人が世話をし続けていかないとやがて枯れてしまいます。

例えば耕作放棄地を借り入れて、なんにもしなくても毎年収穫ができるか、と言われれば答えはNOです。樹の状態にもよりますが、2~3年後にはどんどん枯れていってしまうのです。

観察力とマメなお世話が欠かせない

自然栽培では、樹をよく観察し樹とよく接することで、樹と仲良くなり、
樹の状態に合わせて作業内容を決定していきます。

それぞれの圃場の状態に合わせて栽培方針が異なってくることが大半だと思いますので、言葉でのマニュアル化が難しいように感じます。まだまだこれから、当農園も経験を積んで成長していきます。

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みかんの糖度について(おいしい作物は糖度がすべてではない)

2016年、得意先の業者様に納品した際、糖度は計測していただける機会があった為 折角ならと計っていただきました。

結果は、最低糖度11.3度 平均糖度12.8度 最高糖度16.8度。

福岡のデパ地下などで売っている高級みかんが糖度12度!と謳っているのを知っていたため、

まさかの計測値に取引先様と、愛妻様と共に驚いたのを覚えています。

さて、ここからは持論ですが、美味しいみかん=糖度が高い とは考えておりません。

果樹の美味しさ=甘さと酸味の黄金比率であると考えており、

糖度がやたらと高いからといってイコール美味しいみかんだ、というのは疑問です。

「糖度も高く、酸味もあるみかん」こそが最高に美味しいみかんです。

自然栽培では、糖度を上げたいからといって施肥をするのではなく、

あくまで光と水と土の、自然のチカラに任せて栽培を行います。

その結果、その土地独自の「美味しいみかん」の実を成らせてくれるのです。

美味しいみかんの栽培スケジュール

各圃場の応じて諸々あるかと存じますが、主にやった方が良いことは以下3点かと思われます。

  • ナギナタガヤによる草マルチ
  • 剪定(切り上げ剪定)
  • 摘果

◆ナギナタガヤとは、緑肥栽培においてよく使われるイネ科の植物で、背丈がそこそこ高く、

ある程度育ったら自然に倒れ枯れ込んでいくため、自然マルチのような使い方ができる優れものです。

枯れ込んでいったナギナタガヤは積もり積もって植物性の堆肥の層にもなります。

◆剪定は切り上げ剪定を行うことで無施肥での栽培が可能になります。

ナギナタガヤと切り上げ剪定を組み合わせた栽培方法について、

こちらの書籍に具体的な方法論が掲載されております。

道法正徳さんの有名な書籍です。かなり分かり易く書かれています。

◆摘果についてはしない方が糖度が上がるという説もありますが、

宗自然農園としては摘果みかんの使い道が他にあるので果実サイズを揃えたい目的でも行う方針です。

以上、高糖度の自然栽培みかんの作り方でした。

今年も美味しいみかんができそうです。

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