

このブログをご覧のみなさまご無沙汰しております。農園長の宗純平ことJPです。
ここ最近は妻と農園スタッフの由美さんに蜜柑の摘果作業を委託し、灼熱の太陽の下ひたすら草刈りと業務委託の剪定作業等に追われておりました。
2015年以来、年々上がり続ける平均気温ですが、国内のみならず全世界共通して灼熱の熱波が襲っているようですね。”農だけで生計を立てていく”ことにかなりの危険を感じざるを得ない気象ではありますが、私にはこの道しかありません。農を続けていくことでしか地球の循環を正すことができず、循環を正していくことでしか鳴き声を上げている地球を癒やすことができないのです。これは私の使命です。
社会全体がこの先どう変化していこうと、私は愚直に自然と向き合って生きていくことで答えを出していきます。
農あるくらしが地球を救う。宗自然農園です。
さて、今日はキウイについてのお話です。
キウイは中国原産の落葉蔓性植物で、マタタビ科のフルーツ。正式名称をキウイフルーツといいます。
収益性はなかなかのもので、適切に管理を行えば10aあたり約4t収穫可能。
出荷額は農協出荷で手数料を差っ引いて250円/1kg。(2018年現在)
単純計算で100万円/10aが理想値です。
成木に育ちきるまでの3年間はそれなりに手をかける必要があるが、それ以降は無農薬・無肥料でのオーガニックまたは自然栽培での管理が比較的容易な果樹に分類される。
今日は、私たちが住む玉東町にて8年前からキウイ栽培を始められてあるQuse氏のキウイ畑(品種はヘイワード)を見学させてもらいながら栽培のポイントをメモしてきたのでまとめてみます。
この記事では露地栽培向けの内容がメインになりますが、
家庭菜園でキウイを育てることも棚を仕立ててあげることで可能になるので、
美味しく健康的なキウイフルーツのヨーグルト和えをお風呂上がりに楽しまれたい方は是非実践されてみてください。
なお、Quse氏に教えていただいた方法に則り、備忘録を兼ねて今回の記事を作成しておりますので、
記事最下層に添付しております参考サイト様などと一部情報が異なる場合がございます。ご了承くださいませ。
あなたの農的くらしが地球の循環を正すことに繋がりますように。
Contents
ポイント①苗木の植え付け・仕立て方
苗木と苗木の間隔を約6m空けて植え付けていく。
L一般的には樹間4m~4.5mぐらいでも問題ないとされています。Quse氏の畑では立地上、6mぐらいの間隔があった方が管理がしやすかったため6mで管理されています。各圃場の立地条件に応じて設計ください。ただし、樹間は広くとった方が比較的樹勢が良くなる傾向があるとのことです。
ポイント①苗木の仕立て方
苗と苗の中間点にパイプや竹(できるだけ細くて丈夫なものを選ぶ)などの棒状の支柱を立て、支柱と苗とをビニール紐で結びつけて仕立てる。文章だとおそらくなんのこっちゃ分かりづらいと思うので簡単な図をつけておきます。↓
このように仕立てることで苗木はビニール紐に絡みつくように伸びていき、ある程度伸びてきたら紐をすっと引き抜きます。結びつける紐としてビニールを選んでいるのはこの際に抜きやすいからです。
ポイント②テッポウ虫対策
キウイは蔓性の植物のため、果樹の中ではかなり病害虫に強い植物だとされています。
しかしながら柑橘類と同じく「テッポウムシ」には狙われてしまい、幼木の頃は特に注意が必要です。
成木になるまでの間は慣行栽培と同様に一定量の農薬は使用した方が安全だと思われます。
当農園は自然栽培でオーガニックキウイを栽培していくつもりですので、柑橘類と同様にこまめな見回りを行い対応していきます。テッポウムシの成虫は見つけ次第捕殺し、幼虫は主に根元まわりに穴が開いていたりして巣食っているので細いハリガネを通して退治しています。
テッポウムシの他に、「モンパ病」というものもあります。
これはキウイやナシなどの落葉樹の根に発生する病気で、根周りを掘り返すと白い粉のようなものがついているとのこと。真っさらな更地だった場所にキウイを受け付ける場合は心配ありませんが、当農園の場合は元・梨園だった場所にキウイを改植する予定なので特に注意が必要です。
ポイント③人工授粉
植え付けから2~3年経過し、無事に苗木が育ってきたら、いよいよお待ちかねの収穫どきです。
お楽しみの収穫の前に、キウイにはひと手間かけてあげることで豊作が期待できるようになります。
それが”人工授粉”です。
本来はミツバチに任せた方がより自然なサイクルだと思うのですが、2018年現在では残念ながらミツバチの数がずっと少なくなってしまったような気がしています。ですのでキウイ畑の周辺で養蜂をしている等の状況でない限り、ここは人工授粉を行った方が賢明だと考えております。
人工授粉の方法
方法1.市販の花粉を用いる
Quse氏によると、水溶性の花粉が市販で入手できるとのこと。
これを使えば受粉も楽チン。キウイの花は下向きに咲くため、はしごに登る必要もなく歩きながらシュッと吹き付ける感覚で受粉作業が捗るそうです。その際は、食紅を混ぜておくと受粉済みの花と未受粉の花との見分けがつきやすい。
デメリットとしては、ほとんどのものが中国製のもので価格も高騰化しており、以前は4万円/10aで購入できていたのが倍額の8万円/10a程度になってしまった点。
方法2.受粉用の品種『トムリ』を混植する
畑の隅の方にトムリを植え付けておき、白い花が咲いたら回収し受粉用の粉にしてもらう方法。
トムリは大きく成長すると場所を取ってしまうため、必要な分の花粉を回収したらある程度の長さで切り詰めておくこと。花粉にしてもらうことは農協でもできるそうです。
宗自然農園は品質面からこちらの方法での受粉を検討しております。
2019年より新設予定の26aのキウイ畑には2本程度のトムリを混色予定です。
ポイント④剪定~枝は毎年更新する~
キウイは一度結実した枝から再度結実させることはないようです。
そのため、収穫後に毎年の剪定をしっかり行うことが重要となります。
剪定を行う際は結実した枝の根元近くを切り落とすようにして剪定していきます。
剪定時期については基本的に落葉した後であればいつでもokとのことです。
宗自然農園では柑橘類の剪定と併せて3月末までに剪定を終わらせていこうと考えております。
ポイント⑤収穫
収穫は蜜柑と比べるととても楽とのこと。
蔓と果実を指で挟むようにして前後に軽く力を入れるとプチっと綺麗に収穫できます。
片手で簡単に取れるので、慣れてくると夫婦2人で20aの畑を3日間で収穫し終えるそうです。
収穫時期は地方によって多少のズレはあるかと思いますが、10月下旬~11月中旬ごろまでが一般的とのこと。
霜にあたると黒ずんだ果実になってしまうため、それまでに収穫を終えること。
ポイント⑥追熟・出荷・保存
【追熟】
キウイの場合は収穫してすぐに食べられるワケではなく、追熟が必要です。
追熟させるためにはリンゴやバナナ、みかんなどと一緒にビニール袋に入れ、室温に14日程度置いておくことで柔らかくなり食べられるようになります。
【出荷・保存】
箱などに並べた後ビニール袋等で密閉し、10℃以下で保存する。
出荷の際はクール便の利用が望ましい。
ポイント⑦施肥管理
12月にお礼肥、2月に元肥、月に1回程度40kg/10aの施肥を行うと収穫量が安定しやすいとのこと。
宗自然農園では基本的に自然栽培で栽培管理を行っていきますので施肥は不要としております。
施肥管理の詳細をお知りになられたい方は下記サイトが詳しいですのでご一読くださいませ。↓
http://www2.odn.ne.jp/~aau96530/aec/wakuwaku/saien/kaju/kiwi/kiwi.html